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カテゴリ[Breath <2>]の記事
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  • 2011/07/13(06:42) 『『Breath』<2> 第六話 傷痕』
    悠樹の手が強く自分を求めてくる気配を感じて、漣はうれしさを感じると同時に、不安も感じた。悠樹は文礼のことを思い出すのが怖いのかもしれない。それはつまり、記憶はないとはいえ、体や意識のどこかに、文礼が行なった陵辱の痕が残っているということだった。しがみついてくる悠樹の体を、漣はやさしく包み込むように抱きしめる。「ベッドに行こうか」「うん……」そのまま悠樹を抱き上げ、ベッドルームに運ぶ。悠樹は漣にしがみ...
  • 2011/07/14(07:30) 『『Breath』<2> 第七話 苛立ち』
    「おーい!!」肩を掴まれて、ようやく悠樹はわれに返った。振り返ると、少し困惑したような淳平の顔があった。「どうしたんだ?何回も呼んだんだぞ?」「ご、ごめん……ちょっとボーっとしてた……」「ちょっとどころじゃないだろ。無視されたのかと思ったぜ」「ごめん……本当に……」申し訳なくて顔を曇らせると、淳平はますます怪訝そうな顔をする。「いや……そんなに謝ってもらわなくてもいいんだけどさ。っていうかお前、何か悩みでも...
  • 2011/07/15(06:14) 『『Breath』<2> 第八話 友情』
    どこか店にでも行こうと漣は提案してみたが、店などでできる話ではないでしょうと淳平は答えた。とりあえずは何となくマンションを出て近くの公園まで歩いた。結局そこで話をすることになった。時間はもう夜中というよりは明け方に近いぐらいの時間で、淳平はいったい何時間待っていたのだろうと漣は思った。今日は会社のほうでいくつかのトラブルがあり、その処理でいつもに増して遅くなってしまったのだ。いつ帰るか解らない漣を...
  • 2011/07/16(06:51) 『『Breath』<2> 第九話 トラブル』
    漣がマンションの部屋に戻ると、予想していた通り、リビングの灯りがともっていた。しかし、悠樹が出迎えに出てくる気配はない。眠っている可能性も考え、漣はそっとリビングを覗いてみる。ソファに蹲る悠樹の姿が見えた。やはり眠っているのだろうか……そう思いながら、そっと近づいてみる。近づいてみると、どうやら悠樹は起きていたみたいで、ソファにきつく顔を埋めてしまった。「起きてるのか?」漣の問いかけにも返事はない。...
  • 2011/07/17(07:13) 『『Breath』<2> 第十話 運転手』
    翌日、悠樹が目を覚ますと、もう漣の姿はなかった。ベッドサイドにメモが置いてあって、先に仕事に行くということ、朝食は作ってあるのできちんと食べること。そして、大学の授業に間に合うように迎えがくるので、ちゃんとその車に乗っていくようにと書いてあった。まるで親か何かみたいだと苦笑しながら、悠樹は時計を見た。今日の講義は午後からなので、まだ時間には余裕があった。悠樹はベッドから起き上がってリビングに向かう...
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日生桔梗

Author:日生桔梗
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