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蝋燭の灯りだけが頼りの薄暗い地下室の中で、十字架が吊るされていた。
その十字架には、まるでキリストを真似たかのように人が磔にされている。
床にぽたりぽたりと落ちる水滴は、どうやら磔にされた彼のもののようだった。
彼は衣服をすべて剥ぎ取られ、体の中心部にある一物を硬くそそり立たせている。しかしその根元は細い縄のようなものできつく縛られており、あれだけ激しく勃起しているにも関わらず、射精することが出来ないようだった。
普段は汗すらかかないような体質の彼が、今は苦痛の汗を滴らせ、床に水溜りを作っている。
「文礼……」
と、彼の所有者が彼の名を呼んだ。
彼とは近頃経営する企業の成長が目覚しい蔡家の御曹司、蔡文礼(ツァイ・ウェンリィ)のことだった。
その目覚しさの大部分は、この汪の援助によるものだった。
「私の躾が悪かったのかな。どうも勝手なことをしすぎる悪い癖があるようだ」
文礼の所有者の名は、汪劉燕(ワン・リウィエン)。世界に広がる華僑ネットワークのナンバー2と目される人物だ。
汪は細身の彼とは対照的に、とても肉付きの良い体をしている。いや、肉というよりは脂肪のほうが目立つ。いちおう鍛えてあるのか筋肉の筋が浮かんではいたが、やはり彼の姿を見て思うのは「肥満気味」だということだろう。
汗の流れる文礼の頬を、汪は指で撫でるようになぞっていく。
「まだたった一年なのに……私を怒らせるのはこれで何度目だ……?」
汪が文礼の所有者になったのは一年前の話だった。汪のほうは2年ほど前からラブコールを送り続けていたのだが、文礼の実家である蔡家がなぜか渋っていたのだった。
おそらくはナンバーワン華僑である李家か、ナンバー3華僑の趙家との駆け引きがあったのかもしれない。あるいはいくら蔡家がアピールしても、美男子を愛でる趣味が、その双方にはなかったのだろうか。
いずれにしても、さまざまにラブコールや脅迫を続けた結果、汪は文礼を手に入れることが出来たのだ。
汪はわざと文礼の手綱を緩め、彼がその隙に行なう「勝手な振る舞い」に対して折檻するのが大好きだった。
たとえ文礼が「勝手な振る舞い」をしなくても、汪はその立場上いくらでも言いがかりをつけることが出来た。
むしろ、言いがかりもなく文礼を拷問することも出来たのに、あえてそれをしないのは、文礼のブライドを砕くことに汪が愉しみを見出しているからだった。
日ごろは取り乱れることも泣く、常に冷静であり続けようとする文礼が、苦痛に顔をゆがめ、日ごろはかかない汗を滴らせ、最後には許して欲しいと懇願してくる。そんな姿を見るのが彼の愉しみだった。
今日は言いがかりを考える必要など何もなく、文礼がここ一ヶ月にわたって行なったさまざまな「勝手な振る舞い」に対する制裁を堂々と行なうことが出来ていた。
十字架に美しくしなやかな体が磔られ、苦痛の汗を滴らせる文礼の、なんと美しいことか。
それを見ているだけで汪の股間はありえないほどの膨張を見せたが、それを処理するのはもう少し先の話だ。
汪はうな垂れた文礼のあごに手を当て、その顔を上向かせる。
汗でべっとりと濡れた黒い髪が、またひとつ雫を滴らせた。
「日本の藍澤興産にちょっかいを出したのは、何のつもりだ?」
もっともらしく尋問をするが、別に汪は答えはどうでも良かった。
文礼は、最初から準備しておいた答えを言う。
「……公共事業の入札…………藍澤興産が邪魔だった……」
掠れた声で答える文礼を、汪はニヤニヤと笑いながら見つめている。
藍澤興産の関連企業に人を送り込み、不祥事を作り出して本体である藍澤興産にまでダメージを与えた。その後は銀行にまで圧力をかけ、藍澤興産を追い込もうとしていたらしい。
「なるほどな。蔡家は最近、日本の公共事業にも手を出していたのだったな」
まだまともに口を利けるのだから、余裕があるということなのだろう。
「だが、それだけではないだろう?」
粘っこく聞いてくる汪の言葉に、文礼は首を横に振って見せた。
「……それだけ……他に理由はない……」
「強情な子だ、まったく……」
わざとらしくため息を吐きながら、汪は文礼の顔を撫でる。
「本当のことを言わないというのなら、私もお前のことは可愛いと思っているが、もう少し苦しんでもらわないといかんな……」
文礼が息を潜める気配を感じる。その反応がまた愉しい。
「薬をもっと」
そう命じると、傍に控えていた男が文礼の腕に注射を打つ。
しばらくすると、文礼はさらに息苦しそうに吐息を喘がせた。
「この状態のままコレクションしたいぐらいだな……」
先ほどまで動きの少なかった文礼が、たまりかねたように身をよじる。
しかし、手も足も十字架にくくりつけられているのだから、身動きなどほとんど出来ない。
縄が食い込んだ体のあちこちからは、血が滲み始めている。
その様子を汪はうっとりとため息を吐きながら眺め、脂ぎった手で彼の汗ばんだ体を撫で始めた。
「う……ッ……く……ッ……」
薬が効いて、まるで全身が性感帯になってしまっているようだった。
汪が手を滑らせるだけの動きが、文礼を激しく追い込んでいく。
縛り上げられた一物は、その苦痛を訴えるかのように、天を向いたまま痙攣するように震えている。
文礼を所有して一年の間に、汪はありとあらゆる変態的プレイを彼に施してきた。その中でもやはりもっとも興奮するのは、こうして文礼の苦痛の表情を見ることだった。
苦痛の表情というのは、彼の美しさがもっとも際立つ表情でもあるのだ。
今回の藍澤興産に対する文礼の動きの裏には、どうやら過去の恋人が絡んでいるらしいということも、すでに汪は突き止めていた。
それを今持ち出さないのは、後の愉しみに取って置きたいという気持ちもあったし、もう少し文礼を泳がせて見ても面白いかもしれないと考えたからだ。
「大人(ターレン)……」
何とかそう呟いて、文礼は吐息を喘がせる。
「もう……これ以上は……」
限界が来たと訴えているのだろう。射精などできるはずもないのに、その先端からは雫があふれ出していた。
「ふむ……」
十字架に磔られた体が、末期の症状を訴えるかのように痙攣を起こしている。
「確かに……そろそろ限界のようだな」
できるだけゆっくりと言葉を話しながら、汪は文礼の表情をじっくりと鑑賞する。
せっかく手に入れた高価な玩具だ。壊れてしまっては意味がない。細心の注意を払って取り扱わなくてはならなかった。
壊れるか壊れないか、そのギリギリのところでやめるのも、汪の所有者としての義務だ。
最初のうちは薄く紅潮していた文礼の顔色は、今は色が薄れつつあるようだった。
そろそろ潮時なのかもしれない。
「よし、下ろしてやれ」
ようやく吊り下げられた天井からおろされ、縄を解かれていく文礼を眺めながら、今夜はいったいどのように彼を穿ってやろうかと考えてニヤけた顔をさらに歪めて笑った。
「続きはベッドでたっぷりと時間をかけて聞いてやろう」
自分で立つことも出来なくなった文礼の体を抱き上げながら、汪は彼の耳に囁いた。



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EDIT [2011/07/08 07:33] Breath <2> Comment:0
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