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「まだ不安か?」
 顔を覗き込んでくるアマツに、陸は首を横に振る。
「ごめん……落ち着いてきた……」
「どう言えば、陸の不安は全部なくなるんだ?」
 この言葉に陸は答えることができず、唇を噛み締めた。
 きっと不安がすべてなくなるなんてことはないのだろう。どんなに優しくされても、どんなに抱きしめられても、ちょっとしたことで不安を感じてしまうはずだ。
 人を好きになるというのはきっとそういうことなのだ。好きという気持ちが幸せすぎると、それが終わる時の不安を感じてしまう。終わりの気配があるわけでもないのに、勝手にその終わりを想像してしまう。きっと、好きな気持ちが大きいだけ、その不安も大きくなっていくのだ。
「もう大丈夫……本当にごめん……。何か俺って最低だな……」
 やっと陸はそう言った。
 落ち着いてきてみると、自分がどれだけ勝手でワガママなことを言ったのかと呆れてしまう。
 それを呆れることもなく聞いてくれ、そして答えてくれるアマツには申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。
「陸……」
 大きな腕が陸の体をすっぽりと覆うように抱きしめる。
「本当にごめん……もう落ち着いた……」
 陸はもう一度アマツに謝った。
「俺がお前を不安にさせてしまったのだろう? だから陸はもう謝らなくていい」
 その言葉の響きや抱きしめる腕が優しすぎて、陸はまた涙が溢れ出してくるのを止めることが出来なかった。
 流れ落ちる涙を、アマツの指がすくい取る。
 顔を上げた陸の唇に、アマツの唇がそっと重なってきた。
 いきなり深い口づけをしようとはせず、アマツは何度も軽く唇を重ねてくる。
 次第に陸の体の力が抜けてくると、アマツは少し開いた唇の間から舌を入れてくる。
「ん……ふ……ぅ……んぅ……く……」
 アマツのざらりとした舌が陸の舌を絡めとると、ぞくぞくと体の奥が震えるようだった。
 アマツは長い腕で陸の体を抱きしめると、愛おしむようにその背を優しく撫でてくる。
「ん……んんっ……ふ……ぁ……ん……っ……」
 首筋や頬をその手で撫でられ、陸はうっとりと吐息を弾ませていく。
 どうしてキスをしているだけなのに、こんなに気持ち良いのだろうと陸は不思議に思う。
 体はまるで雲の上にいるみたいにふわふわとして、奥のほうに熱の塊みたいなのがあるような気がする。
「ん……ぅ……ん……ぁ……んっ、はぁ……ッ……」
 いつの間にかアマツの手は自然に陸の衣服に伸びていて、重ねた布をひとつひとつ剥いでいく。
 少しずつ着ているものが少なくなり、アマツの手の感触をじかに感じるようになってくると、陸の心臓は激しく鼓動を打ち始める。
 もう何度も体を重ねているはずなのに、直接アマツの手が肌に触れてくる瞬間は恥ずかしくて心臓が壊れそうになってしまうのだ。
「ん……は……ぁ……んッ……んっ、ふ……あ……ッ……」
 まだすべての着物を脱がされたわけではないのに、陸の吐息は甘く弾んでいる。恥ずかしくて情けなくてどうしようもないけれど、体がアマツを待ちきれないように興奮してしまっている。
 待ちきれないように陸はアマツの首にしがみつく。
 アマツのほうも待ちきれなかったようで、やや乱暴に残りの衣服を脱がしにかかってきた。
 唇を重ね合いながら、陸の衣服はすべて剥かれ、生まれたままの姿になる。
「……ん、あ……アマツ……早く……」
「分かってる」
 アマツは笑い含みに答え、陸の額に口づけを落とすと、自分の着ているものを乱暴に脱ぎ捨てる。
「ま、待って……」
 体に覆いかぶさろうとした瞬間、陸はアマツを思わず引き止めた。
「どうした?」
「俺……いつもしてもらってばかりだから……」
 陸は体を起こし、互いに向かい合って座った状態のまま、アマツの昂ぶりを自らの入口に導いていく。
「陸……」
 アマツは少し心配そうな顔で陸のことを見ている。陸だって初めてのことだから不安でいっぱいだった。
(でも、今日は何だか自分からしたい気分なんだ……)
 決して受け身ではなく、陸だってアマツのことが大切で大好きなのだということを伝えたかった。それを伝えるために、陸は今までにしたことのないことに挑戦しようとしている。
「……っぁ……」
 自分の入口にアマツの先端が触れただけで、そこが熱くなるのを感じる。いつもは任せきりだから、自分でその大きく硬いものを体の中に入れるのは勇気が必要だった。
「ん……っ……」
 腰を落とそうとして、やはりためらってしまう。入口にあてがったまま両足を震わせる陸を、アマツが気遣うように見つめてくる。
「陸……無理はしなくていいぞ」
「無理……なんかじゃないから……ッ……」
 やると決めたのだから、最後までやり通すべきだろう。ここでアマツに甘えてしまうのは、何だかとても自分が男として情けない気がした。
 陸はゆっくりと腰を落としていく。じわじわと入口が開かれ、その先端がゆっくりと中に入ってくる。
「……ぅ、あ……ッ……く……んんぅ……」
 まだ先端しか入っていないのに、その部分が異常なほど熱くなっているのが分かる。さらに少し陸が腰を落としアマツの昂ぶりを受け入れようとした瞬間、膝からガクンと力が抜け落ちた。
「うあッ……あああぁッ……!?」
 アマツの分身は、一気に陸の内部を貫いてきた。まだ準備もできていなかった粘膜が悲鳴をあげる。自分でしてしまったことだから、誰にも文句は言えない。
「う、く……うっ……はぁッ……あっ、はぁッ……!」
「陸……」
 アマツが陸の体を抱きしめ、なだめるようにして背中を撫でてくれる。ひどい痛みで陸の瞳からは涙がぽろぽろと溢れ出した。
 アマツがいつも陸のことをどれだけ大切に扱ってくれていたのかということを思い知らされた気分だった。
「あ、うう……ッ……う、く……はぁッ……」
「陸……腰を上げろ」
「ま、待って……動けない……」
「一度抜いたほうがいい。たぶんこれでは陸が辛すぎるだろう」
「だ、大丈夫……少ししたら……落ち着いて来るはずだから……」
 陸は荒い呼吸を繰り返しながら、痛みが収まるのを待った。
「う、うく……ッ……あ、ん……はぁ……はぁ……」
 アマツは陸の頬や額にキスをしながら、陸自身の昂ぶりに触れてくる。優しく上下にしごかれると、それだけで体の力が少しずつ抜けていくようだった。
「……んあ……ん……ッ……はぁッ……あ、ん……ぅ……」
 アマツが繰り返し陸の昂ぶりを愛撫するうちに、ずいぶんと痛みも異物感もマシになってきた。陸は恐る恐る腰を上げていく。まだかなりきつかったが、何とか動くことは出来そうだ。
 陸はあげた腰を再びゆっくりと落としていく。
「……っ……」
 アマツが息を詰めるのが分かった。
(アマツも……気持ちいいのかな……?)
 そう考えると何だか嬉しかった。陸はゆっくりと腰を上下に動かしていく。
「ん……あっ、んんっ……はぁッ……あ、ん……ッ……」
 まだスムーズに動くことは出来ない。もどかしい気持ちを感じながらも、陸はぎこちなく腰を動かし続ける。
 アマツの様子はいつもと違っていた。やはり陸が動いていることで勝手が違っているのかもしれない。何度か息を詰める気配を感じ、陸はドキッとする。
(もしかして……俺の動きがあまりにも悪いから、我慢するのが大変なのかな……)
 陸は心配になったが、だからといっていつもアマツがしてくれているようにスムーズに動くのはまだ難しかった。
「ご、ごめん、アマツ……上手く動けなくて……」
「いや、大丈夫だ……お前がこうして自分から動いてくれようとしていることが嬉しい……」
 アマツは微笑んでいたが、やはりいつものような余裕は見られない。陸の動きが悪すぎるので、相当に我慢しているのだろう。
 陸は何とか頑張って、少しずつ動きを速く大きくしていく。



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