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エントランスからエレベーターに飛び乗る。
もう外の三芳の車があるのかどうかも見ることが出来なかった。
「はぁ……」
エレベーターの階数ボタンを押すのも忘れ、弘海は思わずため息をついた。
勢い任せにあんなことを言ってしまったけれども、逆に三芳を怒らせたり、呆れさせたりしていないだろうか……。
後悔しても、言ってしまった言葉はもう元には戻らないのだけれども。
「あ……」
いつの間にかショーンが背後に立っていて、ふわりと後ろから抱きしめられた。
腕の中の猫はいなくなっていた。
「ショーン……」
「さっきの弘海の言葉……嬉しかった……」
「だって……本当のことだから……」
包み込むように背後から抱きしめられ、弘海はその腕を握り締めた。
あんな言葉を当の本人に聞かれていたのかと思うと、今さらながらに恥ずかしくなってくる。
けれども、三芳に言ったことはすべて弘海の本心だった。
ずっとショーンに対して心を閉ざし続けてきたのに、それでも弘海のことを好きだと言い続けてくれたこと。
そのことが、結果的に弘海の固く閉じた心を開かせることになったのだ。
だから、三芳にも思い切って気持ちを打ち明けて欲しいと思う。
はっきりとそう言ったわけではないが、やはり三芳の思い人は橘なのだろう。
言葉の端々から、それが伝わってきたような気がする。
橘もきっと、三芳の気持ちを受け止めることが出来るはずだ……弘海はそう思うのだけれども。
「三芳さん……大丈夫かな……」
「強い気持ちがないと……上手くはいかないだろうな……」
「強い気持ち……あるよね。三芳さん……」
「どうだろう……さっきは少し弱ってるような気もしたが」
「うん……弱ってたよね……」
三芳にしては珍しく後ろ向きなことばかり言っていた。
けれども、好きな相手が合意でないにしろ、他の人間と深い関係にあるとしたら、それはとても辛いことだろう。
三芳は橘の気持ちも理解しつつ、その状況を変えようと頑張ってきた。
それなのに、橘にはその三芳の思いが届かないのだ。
弱気になったり、諦めたくなっても当然なのかもしれない。
「でも、俺……もしも三芳さんが橘さんのことを好きなんだったら、二人が上手くいって欲しい」
「そうだな」
「だって、ずっと橘さんのことを思い続けてきたんだもん。ずっと支えてきて……」
「そうだな……報われるといいな……」
「うん……」
エレベーターが弘海の部屋の階に着くまでの間、ショーンはずっと弘海の体を抱きしめ続けていた。



「弘海……」
部屋に入るなり、いきなり襲い掛かられて、弘海は慌てた。
壁に体を押し付けられ、唇を塞がれる。
「んんっ……!?」
我慢できないといった様子で、ショーンの舌が口腔に入り込み、弘海の舌を弄んでくる。
「んっ、んんん……っ……!!」
キスだけでは終わらないような予感を感じ、弘海はじたばたと抵抗した。
「ちょ、ちょっとショーン……!」
「ん?」
「ま、まだご飯も……風呂も……っ……まだ……なのに……っ……!」
「弘海を抱きたい」
「だ、だから……いろいろちゃんと済ませてからっ!」
弘海はそう訴えたが、ショーンの手はすでに弘海の衣服を脱がせにかかっていた。
「だから、ショーン……っ! ここ……玄関……だから……!」
弘海は必死に拒絶しようとしたが、ショーンは言うことをきいてくれそうになかった。
やはり先ほど車の中で三芳に言った言葉が、ショーンを興奮させてしまったようだ。
「本当に嬉しかったんだ……」
口付けをしながら、その合間にショーンが吐息を弾ませながら言う。
「ん……っ……ショーンってば……っ」
「弘海は……そんなふうに俺のことを思っててくれたんだな……」
「そ、そんなこと……ショーンはとっくに知ってると思ってた……」
「俺はまだ……弘海のことは知らないことのほうが多い……」
ショーンはしみじみとそんなことを言い、何度も唇を重ねてきた。
「ん……っ……んぅっ……」
弘海は抗議するように手足をばたつかせたが、その手も足も、ショーンに押さえつけられてしまう。
「ね……ショーン……お願いだから、ちょっと待って……」
「いやだ、待てない」
強引に肌に吸い付いてこられると、弘海はもう抵抗することが出来なくなっていた。
弘海の体も、ショーンを求めてしまう。
いつの間にか、弘海の吐息は熱く弾み始めていた。
「ん……っ……ぁっ……ねえ、ショーン……待って……」
最後の抵抗をするように訴えてみたが、ショーンは弘海のむき出しになった肌に吸い付くのに必死のようだった。
仕事を終えたばかりの体に触れられるのは、弘海としては抵抗があった。
せめてシャワーぐらい浴びたいと思ったが、ショーンのほうはもう我慢が出来ない様子だった。
体のあちこちに赤いうっ血の跡をつけられ、敏感な胸の突起を舌で刺激され……。
弘海の体はもうすっかりショーンを受け入れる体勢になっている。
「ね……せめて……ベッド……行きたい……」
吐息を喘がせながら言うと、ショーンはようやく弘海の言葉に頷いてくれた。
体を軽々と抱き上げられ、そのままベッドに運ばれる。
風呂もご飯も、今はもう諦めるしかないと弘海は思った。
まるで宝物を扱うように、そっと体をベッドにおろされ、弘海はショーンに向かって手を伸ばした。
すぐにショーンは覆いかぶさってきた。
「今日はたっぷり弘海を愛したい」
「き、昨日も……したばっかりじゃん……」
弘海が抗議するように言うと、ショーンは笑う。
「本当は毎日だってしたいんだ」
ショーンの言葉に、弘海は顔がカーッと熱くなるのを感じた。
弘海も実は同じ気持ちだったが、いろんな理性が邪魔をして、そんなことを素直に言えない。
けれども、日本人とは理性の回路が少し違うショーンは、そういうことを何のためらいもなく言ってのけるのだ。
ショーンの言葉で、弘海の体は一気に熱く昂ぶっていく。



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